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米韓FTA5年(1)「加速する規制緩和」

米韓FTA5年(1)「加速する規制緩和」

潤う大手、中小苦境
 首都圏に国内人口の半数が住む韓国。一極集中が進むソウル周辺の2500万人圏域には、高層ビルやマンションが立ち並ぶ。タクシー運転手が「車は韓国人のステータス」と言う通り、道には高級車も目立つ。景気は鈍化しているとはいえ、サムスン電子など財閥企業がけん引し、急速な経済成長を果たしてきた。

機械輸出2割増 「互恵的な成果」
 貿易立国の韓国で、政府が通商戦略で重視するのがFTA(自由貿易協定)だ。中でも2012年3月に発効した米韓FTAは、EUなど他の貿易交渉のベースとなった。

 「対外的な貿易環境が悪化する中、韓米貿易は増えた。互恵的な成果が表れた」。韓国貿易協会国際貿易研究院は今月、FTA発効後5年の評価を発表した。発効前と比較して、両国で互いの製品の市場シェアが拡大。韓国からは機械関係などの輸出が2桁台で伸び、米国からは自動車の輸入が増えた。批准時に世論の反対が大きかったFTAだが、「ウィンウィン」の関係にあると強調している。

 ただ、FTAの影響を追跡する専門家は、大きな負の側面を指摘する。協定文書を読破したソウル市内の弁護士宋基昊(ソン・キホ)さんは「FTAは、関税引き下げといった通商交渉のレベルではない、主権の問題だ」と警鐘を鳴らす。

支援策骨抜き 75制度に影響
 例に挙げるのは、「中小企業適合業種指定」と呼ばれる中小・零細企業の支援策。財閥との競合から地場産業を守るため、国内で法整備が進んでいたが、米国から横やりが入った。保護対象にファミリーレストランを入れる方針に、規制強化が米国企業の進出を阻害すると圧力を受けたのだ。

 結局、13年に法案は「骨抜き」で成立された。同年には、CO2排出量の少ない自動車販売を後押しする補助金制度も、大型車の多い米国の抗議で導入延期に。宋さんによると、こうした米国の影響で変更されたとみられる法制度は75に上るが、それ以外は政府の「証拠がない」などの理由で分かっていない。

 「米韓FTAが原因だとは断言できないが、締結・発効と時を同じくして、予想を超えるスピードで規制緩和が進んだのは事実」

 米韓FTAに詳しい酪農学園大学(江別)の柳京熙(ユウ・キョンヒ)准教授は分析する。

 規制緩和は米国企業だけでなく、市場を広げたい国内の大資本の思惑とも合致する。柳准教授は、FTAは、米国との対立構図だけでなく、歓迎する国内資本の存在も含めて捉えるべきと指摘。「自由貿易でもうかるのは、青い目で金髪の外国人だけではない」と話す。

 韓国内では大企業と中小企業、国民の間で貧富の差が広がっている。国内の閉塞(へいそく)感や不満が、朴槿恵大統領やサムスントップへの批判で一気に噴出したと見る向きは多い。宋さんは語る。「米国だけでなく財閥の影響で公共財の範囲が狭まっている。その意味で米韓FTAは、米国との問題であり、国内問題でもある」。(安田義教)

写真=ソウル市内のサムスン電子本社。韓国では一部の財閥企業が経済をけん引し、富の集中と格差の拡大が進む。

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